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MACPOWER休刊について思うこと

2007年11月30日 | アップル・Mac | del.icio.usに追加 | はてなブックマークに追加 | livedoorクリップに追加

MACPOWER ASCII

98年から04年ごろまで執筆していたアスキーの老舗マック専門誌「MACPOWER」が、いつのまにか休刊になったそうです。

さて、1990年の創刊以来、18年間の長きに渡りご愛顧いただきました「MACPOWER」ですが、誠に勝手ながら、2007年10月号をもって休刊とさせていただきます。

転載元:MACPOWER休刊のお知らせ

「いつのまにか」というのも、実際僕がこのことを知ったのは数日前のことで、それも某美術関係者から「そういえば『まーぱ』休刊しましたよねぇ」と教えられたという次第。もちろん今となっては編集部からご連絡いただくような立場でもないので当たり前といえば当たり前なんですが、なんというか僕自身がその世界から遠のいてしまったんだなと改めて実感してしまいました。

思い起こせば、日本語版ワイアード休刊直後に神戸ジーベックで行なわれた「incubator」(50台のiMacで構成されるLANネットワークを作品環境にした実験音楽イベント、企画はコンピュータ音楽家の赤松正行氏)のことをどうしてもどこかで書きたくて、手元にあったMACPOWERの奥付を見て編集部に電話をかけたのが最初。それ以来なんだかんだとご縁があって、連載4本を含むいろんな記事をかなり好き勝手に書かせていただきました。あ、そういえばあの時の電話を対応してくれて、そのあとしばらく担当編集もやってくれたのが、この前まで編集長だった高橋さんだっけ。

MACPOWERでの執筆は、今思い返してもかなり楽しい仕事でした。こんなふうに書くとなんですが、いわゆるMacヲタな執筆陣の中にあって、僕は僕のよくわからない立ち位置で本当に好きなことばかり書かせてもらいました。Macを使った作品を作る現代美術作家12人へのインタビュー、某でっちあげ芸能事務所の奮闘記、iBookをもって南仏を旅をするというへんなマシンレビュー、さらにMacユーザーのアイデンティティが何であるかを大上段から語るコラムなどなど……なんていうか、編集部のみなさんはよくやらせてくれてたよなぁと思います。

僕がMACPOWERに関わった数年間はまさにパソコン誌全体の過渡期でした。ネットの普及で情報源としての存在意義を失い、実際に多くのパソコン誌が休刊・廃刊していきました。そういった状況はもMac誌においても顕著で、かつては書店にMac誌コーナーが出来るほどたくさんあったのが、04年にはMACPOWERを含む3誌をのみとなっていました。誰に目にも明らかな販売部数低下の中にあって全てのパソコン雑誌は、それでもなんとか生き残る道を模索していたように思います。僕はこの時期にアスキー以外のパソコン雑誌でも何度か執筆しましたが、そんな時期だったからこそ僕みたいな者が自由に遊べる隙間が業界にあったのかもしれません。

その後、MACPOWERは05年4月に「クリエイティブ・ライフスタイル誌」としての大幅リニューアル、それにともない僕が執筆できるページもなくなりました。新しい執筆陣は宮沢章夫、小西康陽、箭内道彦、川崎和男と蒼々たる顔ぶれ。デザイン的にもかなり洗練された印象のものになりました。ただ、そのあまりに急激な変化と広告主を強く意識した誌面作りには賛否両論があったと思います。実際僕も、リニューアル後1年くらいはそれなりに毎号チェックしてたんですが、いわゆる“雑誌”としての“雑”の部分が感じられずに、物足りない印象を受けました。いや、わかるんですよ、それ自体がポストモダン的な自虐であることも。でもなぁ、そこには読者がいないんですよ、読者が!

まぁそれはともかく、アスキーは来年4月にメディアワークスとの統合もあるようですし、休刊はともかく、良くも悪くもMACPOWERが吹きいれた新しい空気を活かせるようになってもらえればいいなと思います。そうしたら、また読者的には発売日をドキドキしながら待つような雑誌が出来るかも、とか淡い期待をこめてみたりww

なにはともあれ、高橋さんをはじめ編集部のみなさんはお疲れさまでした。遅くなりましたが、楽しいお仕事をさせていただいて本当に感謝しています。また機会があれば、お手伝いさせてください。

MAC POWER (マックパワー) 2007年 10月号 [雑誌]
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