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大阪ドーンセンターに稲垣智子展「波」を見に行ってきました

2007年04月04日 | 関西/大阪アートシーン | del.icio.usに追加 | はてなブックマークに追加 | livedoorクリップに追加

天満橋のドーンセンターで開催中の稲垣智子展「波」に行ってきました。ドーンセンターは大阪府立総合女性センターで、先日まで日韓写真展「コミカル&シニカル」の会場となっていたところ。地下に閉鎖された屋内プールがあって「コミシニ同様」そこが会場。

070404_inagaki

稲垣智子の作品は2001年に神戸アートアニュアルで見て以来ですが、プロフィールによると「ノンポリ」の東京チームが何人か出展していた水戸芸の「こもれび」展(2003)にも出展されていたりしたようです。

作品はプロジェクターによるビデオインスタレーションが3つ。それらを繋げるものはタイトルで示された「波」(おしくは「水」「液体」「流れる」「流動」……)。脱衣所〜シャワールーム〜プールというユニークな経路と、さらに青いライティングやいまだに漂うプール臭も加わって、本当に緩やかな波にゆっくりと流されているよう。映像自体に関しては、作家の内面性に深くふれる内容ともとれましたが、それよりもむしろ情景の変化をテクスチャーとしてとらえ映像化していることに興味も持ちました。だからというわけではないんですが、映像が映し出されたタイル壁のテクスチャーがとても印象的。

Tomoko Inagaki exhibition "Wave"

最後のプール全体をつかったインスタレーションは、ほかの2つに比べ社会性を強く感じるものでしたが、そのことよりもやはり空間自体の心地よさが魅力的。もちろん地下のプールであるというのもあるわけですが、そこに作品が持ち込まれることでこれまでとはまったく違う(もちろん「コミシニ」とも違う)文脈が持ち込まれ、空間そのものが本来もっていたスペックが新たに引き出されていたように感じました。

Tomoko Inagaki exhibition "Wave"

最後に、ひとつ気になったこと。これはドーンセンターという会場の持つ文脈の話ですが、やもすると安易にジェンダーとかフェミとか、いわゆる「そっち系」で解釈してしまうなという感じがしました。べつにジェンダーやフェミがどうとか言うわけではなく、どうしてもそういう切り口で見てしまうなと。とりわけ今回のような言葉数の少ない(=コンセプトや作品の説明が意図的になされない)展覧会では、場合によってはやる側もみる側も多少の注意をはらう必要があるのかもしれません。まあこの点に関しては僕自身も、空き店舗でやったりお寺でやったりみたいな感じなので、注意するべき点ではあるかもしれませんけどね。

第1回ウィメンズ・アーティスト展覧事業
「稲垣智子展 波」

http://www.dawncenter.or.jp/kozent/servlet/kouzalst?no=00295

会 期:平成19年3月24日〜4月8日
時 間:12:00〜20:00
会 場:ドーンセンタープール跡(地下1階)
入 場:無料

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