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水都「中之島プレイリスト100」に関するテキスト
2009年07月07日 |
岩淵拓郎の仕事
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秋に大阪中之島やることになってる水都大阪2009でのワークショップ「中之島プレイリスト100 〜 中之島で音楽を聴く日」に関するコンセプトテキスト。詳細に関してまだ公開されていませんが、ちょっとフライングぎみにアップしときます。
「中之島プレイリスト100 〜 中之島で音楽を聴く日」について
昨年10月にNPO remoとの協同で行ったワークショップ『中之島メディアピクニック』は、私たちにとってもっとも身近なデジタルツールである携帯電話を用いて、中之島の風景を《視覚》と《情報》という2点から複合的に再認識/再構築するという内容だった。今回のプロジェクトはその続編であり、主に《音楽》を通して中之島の風景を再認識/再構築することを試みる。iPodを選んだ理由は、前回同様に「身近である」ということと、それがもはや”音楽的趣向のタコツボ化”の象徴であるからだ。
”タコツボ化”に関しては、私自身の認識の上ではかなりヤバいところまできていて、もはやアラフォー1年生という微妙な年齢を持ち出して個人的な問題にすることも難しいと思われる。著作権に関するあらゆる規制をかいくぐって音楽データが大量にコピーし続けられるその一方、最終的に個人によって保持されるのはいつか聴いたことがあるような耳障りの良い“懐メロ”ばかりである。もはや私たちの手元にあるプレイリスト化された音楽環境には、他者の趣向も企業の思惑もまるで入り込む余地はない。こうしたモラトリアム的状況に満足することが悪かといわれると決してそんなことはないのだが、ただ音楽が文化であるとするならばその状況はやはり不健全である。文化の基本は異文化コミュニケーションだろうがと言いたい。
まぁそんな感じで、あえてタコツボであるiPodを使ってその外側に出るための方法を考え始めたのが、今回のプロジェクトの発端となっている。具体的には、他人のiPodに自分のイヤフォンを刺すといったなんともバカバカしい内容である。しかしまるで魔法のように進化したテクノロジーの鼻を明かすには、逆にこれくらいユルくてちょうどいいと考えている。
また音楽と中之島の関わりでいうと、私の父親はクラシック好きで、現役時代はよくフェスティバルホールにコンサートを聴きにいっていた。現在同ホールは立て替え工事中であるが、現在も父親にとって中之島で流れている音楽のイメージはワーグナーでありモーツアルトでありドヴォルザークであろう。一方、歌謡曲の文脈において中之島と言えばもちろん内山田洋とクールファイブ「中の島ブルース」である(この曲がリリースされた73年、私はまだ赤ん坊であったが、小学校ぐらいときに何故かラジオでよく聴いた覚えがある)。おそらくiPodを聴きながら中之島を散歩する年配者のほとんどはその時「中の島ブルース」を聴いているに違いなく、彼らにとって中之島のイメージは「中の島ブルース」そのものなのである。この2つの中之島に関するイメージは現在の中之島ともまたいわゆる「水都」とも大きく異なるものであるが、それぞれ違った経緯で整合性がとれている。ここで言う経緯とはすなわち個人の物語であり中之島に対する視点の置き方そのものに他ならない。
そして最後に、中之島は歴史的に大阪における経済・文化・情報発信の集積地であり、今後もそのように機能し続けることが求められている。その中心にあるべきものはいうまでもなく人であり、それらが出会い互いに刺激し合うことこそが重要であると考える。今回のプロジェクトでは、アーティストと参加者の間に結ばれる一時的な関係ではなく、参加者同士が出会い音楽を通して関係性を築き上げていくことに重点を置いた。
2009.6.17 岩淵拓郎
なんとなくネタバレしてしまったかもしれませんが、興味のある方はぜひご参加ください。詳細は近日中に発表します。
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