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「アートのこぶ〆」休止に思うこと。

2008年09月11日 | 関西/大阪アートシーン | del.icio.usに追加 | はてなブックマークに追加 | livedoorクリップに追加

すでに関西アート関係ブログ周辺ではちょっとしたニュースになっていますが、美術ライターの小吹さんのブログ「アートのこぶ〆」が先月末で事実上の無期限休止となりました。

080911_kobujime.png
小吹隆文 アートのこぶ〆

この間いろいろ考えたのですが、
明日からこの「こぶ〆」を休止します(期間は未定)。
スポンサー探しは今後も続けます。
そして、いい形が作れたら復活したいと思っています。
それまでしばし(ずっと?)のお別れです。

転載元:小吹隆文 アートのこぶ〆: ブログ休止のお知らせ

休止の理由については「こぶ〆」8月5日のエントリー「重要なお知らせ」に書かれていますが、要は親サイトを運営する企業の業態転換にともない運営にかかる費用が出なくなるということ。ここでいう“費用”はつまり小吹さんに支払われる“原稿料”のことで、このあたりのことに関して小吹さんは下記のようなスタンスを示されています。

当ブログの更新には、実はかなりの労力がかかっています。
私も三文ライターとはいえプロの端くれですから、
これだけの仕事を無料で、という訳には参りません。
新たな仕事も探さねばなりませんから、
その意味でもブログの継続は難しくなるのです。

転載元:小吹隆文 アートのこぶ〆: 重要なお知らせ

“書く”ことを仕事としている人が個人でブログを運営する場合、そこで“書く”ことを自分の仕事や活動の中でどう位置づけるかはかなり大きな問題になってきます。もちろん多くの場合はブログ自体で収入を確保するのが難しく、結果的に二次的な回収を念頭に置いた”営業“としてやっていくケースがほとんどで、おそらく「こぶ〆」のような運営形態を保っているケースはそれほど多くはないような気がします。かくいう僕も「日々嘉綴 総合」をそういうスタンスでやってるわけで、実際にそうすることで簡単にお金では計算できないいろんな回収を日々させてもらってるわけですが、もちろんその一方での小吹さんようなスタンスも同じブロガーとして十分納得のいく話ではあります。ただ、「こぶ〆」の場合は、それを“仕事”と考えるには逆の意味で背負ってるものがちょっと大きすぎたんじゃないかなぁと……。

ご存知のとおり「こぶ〆」は、昨年のLマガリニューアル以降の関西で、本当に数少ない網羅的情報源として機能してきました。このあたりはきっと小吹さんが元「ぴあ」の編集であったことがベースにあってのことだと思いますが、それにしてもその仕事はたった一人のフリーライターがやるにはあまりにも時間と労力、そして”網羅的”であるために求められたストイックさが大きすぎたんじゃないかと。もしかしたら彼の場合、そのあたりのバランスをサイトを分離させる(「勝手にRECOMMEND」参照)という方法で保ってきたところもあるのかもしれませんが、やはり大変であることには違いない。やっぱそういう網羅的な情報源は個人じゃなく組織化された企業やネットワークの中で作っていった方がいい、で、その後のフィルタリングこそ個人メディアに任せるというのがいいんじゃないのかなぁと個人的には考えています。

まぁ、それはさておき、とりあえず小吹さん、お疲れさまでした。またブログ再開される日を楽しみにしています。

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