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「ハウルの動く城」

2005年07月07日 | 映画・映像 | del.icio.usに追加 | はてなブックマークに追加 | livedoorクリップに追加

2004  日本
原作:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
監督:宮崎駿
出演:倍賞千恵子、木村拓哉、美輪明宏 ほか
オススメ度:★


PIXERの「Mr.インクレディブル」と迷いに迷ったあげく見に行ったがもう完全に大誤算。基本のストーリーテーリングの部分が無茶苦茶で、娯楽作品としてまったく成立していない。なんだかんだ言ってもそれなりに楽しめるミヤザキ作品の中にあって完全な駄作。さらに宣伝力の強さで押し通そうとしているのがミエミエで、この点では「CASSHERN」と大差なし。金がかかっている分まったくタチが悪い。

とにかくストーリーがまるで掴めない。もしかすると原作を読んでいればそれなりに理解できるのかもしれない。もちろんそういう映画があっても悪くはないと思うが、娯楽作品としての売り方をするのであれば物語を分かりやすくすることは最低限の義務であるように思われる。なにせ子供たちなけなしの小遣いを払って見るのである。そのあたりの誠意がまるで欠けている。どうした、ミヤザキ?

またキャラクターの設定が弱いのが気になる。主人公であるソフィーもハウルも最後の最後までいまいちキャラが定まらない。ハウルの弟子・マルクルや火の悪魔・カルシファーも重要な立ち位置にもいながらいったい何者であるのかがはっきりしない。美輪明宏演ずる荒野の魔女もさすがにもう飽たというのが印象。あ、ちなみにハウル役の木村拓哉は思ったよりもずいぶんマシで、ギリギリ合格点といったところ。

ただし評価できる点もある。たとえば映像表現の部分では、単に金をかけたということではなく、あらたな試みがいい形で実現されている多かった。ほとんど数種類のパターンを忠実に受け継ぐ日本アニメーションにおいて、トップでいながらなおも新しい表現に挑戦しようという同氏の心意気は十分に感じられた。

ただそういった部分を考慮しても、作品として決して評価できるシロモノではない。ネット上で見た感じでも一般評価もかなり厳しいようである。しかしその反面で大絶賛する連中も決して少なくない。はぁ?  いったいどこをどう見ればそんな評価がだせるというのだろう。 既存の宮崎ファンなのか? それとも単に節穴なのか? いずれにしても作品そのものを冷静に判断できる「良き消費者」であってほしいものである。

ちなみに帰りに電車の中で、偶然にもハウル帰りの女子中学生2人組に遭遇。1人が重い口を開き「言いにくいけど、やっぱり今回はちょっとイマイチやったわぁ」と告げた。えらい!

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