2004年08月06日

市制50周年記念 宝塚観光花火大会

日 時:8月6日(金)・7日(土) 19:45〜20:30
会 場:宝塚市武庫川観光ダム一帯・武庫川河川敷
打上数:2日間で約4,000発
オススメ度:★★★★

もはや自分にとっては当たり前になってしまったが、阪神間の数ある花火大会の中でも宝塚の観光花火大会は他とはかなり違った趣きがあって面白い。音楽と花火によって描かれるかなり情緒的な世界は、カタカナで表されるところの「タカラヅカ」が強く意識されたものであり、よって良くも悪くも「宝塚的」だ。もちろんそれは歌劇同様好みの分かれるところである。ただ、宝塚で生まれ育ち、今なおそこに住む私には、ファミリーランド亡き後の宝塚にささやかな記憶の断片を残すといった意味において、きわめて肯定的にとらえられる。

今年のテーマは「心に咲く花火の競演 鏡花水月」。「オープニング」「微笑」「涙」「叫び」「眠り」「エンデング」の全6章で構成。このあたりは歌劇よりもむしろ手塚治虫の影響が伺える。中でも「叫び」の章におけるプリミティヴな世界観は「火の鳥」や「ジャングル大帝」などで描かれたものそのもののようにも受け取れる。考えてみれば夏の花火大会に「涙」や「叫び」が似つかわしいはずもなく、むしろそこには「手塚の生まれ故郷」としてのイメージを打ち立てようとする同市の思惑が見え隠れしているようにも思える。

ただそんな憶測を抜きにしても、本花火大会はかなり見応えがある内容だ。打ち上げ数こそ少ないが(2000発)、テンポのいい展開と工夫を凝らした演出で、いわゆる花火大会というよりはむしろ何かのショウをみているような感じになる。興味深いのはやはり花火そのものによる表現の可能性で、実際はそれほど真新しい花火が上がるわけでもないのだが、組み合わせとタイミングによってかなり具体的なイメージを想起させられる。あまりこういったモノ言いはしたくないのだが、大衆芸術における表現としては十分にその質を保っているように感じられた。なお、花火を見る限りではよく分からなかったが、「高度なシンクロ演出が可能なコンピューター点火と 暖かみのあるアナログ点火のハイブリッド演出(公式ウェブより)」が採用されているとのこと。来年はこのあたりに注目してみたい。

今年は風向きもよく煙もほとんど気にすることなく楽しめた。観覧は西駐車場観覧場(有料/1dつき500円)がオススメである。

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2004年08月05日

鳥取1泊2日の旅 2004

交通手段:車
ナビゲーター:鳴海健二
コース:ベニ屋(カレー&インド氷) - 白兎海水浴場 - 健康いちばん・因幡っ子(定食) - 吉岡温泉館 - 鳴海家(宿泊) - 鳥取砂丘 - 戸倉滝流しそうめん
オススメ度:★★★★

限られた時間の中で知らない土地を楽しむ旅行というイベントにおいて、編集はきわめて重要なセクターである。それがひとつのパッケージングされた形として提供されるものはすなわちツアー旅行だが、へそ曲がりな消費者であるわれわれはそういった旅のあり方について背を向ける傾向にあるようだ。もちろん無編集で楽しめるならそれはそれで別の意味ですばらしいのだけれど、よく作り込まれたツアーというのもなかなかいいものである。たまには人の船に自分からのってみるのも悪くない。

たった1泊2日の旅行の内容がこれほどまでに充実していたことの理由は、ひとえにナビゲーターが元地元民だったということにつきる。今回彼は事前に入念なコースをきめたわけではなかったらしいが、それでもこれほど盛り沢山かつ無理のない内容はさすが引き出しの多さを感じさせる。土地を知っているということはまさにこういうことが出来てしまうということなのだと思う。

旅中、一貫して印象的だったのは砂である。それは単に海と砂丘にいったというだけのことなのだけれど、その感覚は懐かしく新しい。残っていく記憶は実はそういうものだったりする。あ、あと因幡っ子か。

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