CoMMU column#006

高橋幸治「Macと茶髪、そして価値観の罠……。」

最近というわけではないのですが、茶髪の人たちがどうも滑稽に見えて仕方がありません。茶髪の人たち(特に茶髪にしたての人たち)が、心なしか“誇らしげ”な顔をしているからです。それはなぜか? 恐らく「オレは普通とはちょっと違うんだぜ」という気分なのでしょうが、冷静に考えて、「普通とはちょっと違う」人たちがあんなにいっぱいいるのはいかがなものでしょう。これは、“インディーズ”という立派なコーナーが都会の大手レコード店に存在するのと同様、狡猾な大人たちが作り出した“価値観の罠”だと思うわけです。つまり、少数派を気取りたい連中をいつの間にか多数派にしてしまうという罠ですね。個性を発揮しようと思えば思うほど没個性になっていくという恐ろしいパラドックス……。そもそも茶髪程度のわかりやすい罠を見抜けない時点で相当凡庸な多数派なわけですが、どんなに鼻がきく人でも、至るところに張り巡らされたこの“価値観の罠”をすべて避け切ることは至難の業です。でも、本当に鋭利でありたいと思うなら、出来得る限り、敏感かつ敏捷でなければならない。

Macユーザーという正真正銘の少数派(以下・・・文字化け)。CoMMUの試みは、“価値観の罠”に可能な限り意識的であろうとする究極の戦略だと思います。この刺激に満ちた試みに是非私も参加させてください。


(2003/10/24)

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