CoMMU column#002

有馬純也「パソコンと白紙」

仕事で人にものを伝えるとき僕は、A3の白紙を何枚も持ってくる。すべりのいいボールペンでたちまち、紙は落書きだらけになってしまう。書いてはめくり書いてはめくり、あとで読み返しても何のことか解らない。でもその時僕は自信をもっている。「彼は僕の頭の中とかなり同期しているハズダ。」

はじめてパソコンに触ったのは小学生の時、NHKの「マイコン入門」を見ながら。マイコン→パソコン、何故そんなに皆がもてはやすのか解らないままprintだのwidthといったコンピュータ様のお言葉を使う。

Macのファイル、フォルダ、デスクトップ。クラリスワークスのドロー環境と出会い僕は思う。「頭の中とそっくりだ。」「使えば使うほど頭の中がクリアになる。」この快感が僕を引き込んだ。自分の頭の中を他人とつなぎたい。もっと自分のイメージを自分でつかみたい。時速100kmでマウスを動かし、マシンガンのようにキーボードを叩きたい。もっと言ってみれば感じただけでデスクトップをイメージでいっぱいにしたい。紙に続くエポックメイキングになるでしょうか「コミュニケーションのための道具、非パーソナルなパソコン。」


(2003/8/28)

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