■灘駅で本を読む
「目的地」でもなく「通り道」でもない、移動のための中継地点である「駅」。そんな空間をあらためて記憶にとどめるため、本イベントでは「駅で本を読む」という行為を提案・ 実施します。本を読むという行為をとおして、参加者古き良き灘駅をいまいちどじっくりと味わうことができる機会になればと考えます。参加者にはそれぞれ読みたい本や読みかけの本を持ち寄り、それぞれ駅内の思い思いの場所でそれらを読みます。ベンチ、待合室、 ホームの端、階段、陸橋......。とりたてて特別な仕掛けはありません。ただ気に入った場所で本を読む。それこそがこの本イベントの主な趣旨です。また受付では、灘区及び灘文化軸ゆかりの文学作品(稲垣足穂、竹中郁、野坂昭如、村上 春樹、谷崎潤一郎他)の貸し出しも行います。

■灘駅で言葉と出会う ~ 言葉のアート作品の設置
イベント中の駅構内には、神戸を中心に活動する美術家・岩淵拓郎の小作品「a piece ofmeaning」があちこちに散りばめられるかたちで設置されます。この作品は小さなアクリルのプレートに駅にまつわる言葉とその定義がしるされたもので、参加者はそれらの言 葉や意味と思わぬ場所で対面します。いつもの駅で思いかけない言葉と出会い。それはささやかな驚きを引き起こすと同時に、それまで忘れていたり見過ごしていた想い出や風景を呼び覚ますきっかけとして機能します。

■灘駅で朗読を聞く ~ 朗読会の実施
イベント開催中、駅構内の各所では定期的に朗読家・甲斐祐子による本の朗読が行われます。馴染みのある灘駅で行われる少し特別で贅沢な朗読会。遠くから近づいてくる電車の 音や駅のアナウンスなどをBGMに聞く朗読は、きっとこれまで気づかなかった灘駅の新たな魅力を知るきっかけとなるでしょう。

 

   
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